哲学書の中で1番おすすめする本。
だいたい哲学書は内容も文章も難しくて、読んでいるとすぐ眠くなってしまう。
しかしこの「ツァラトゥストラはこう言った」は物語風に書かれているのでとても読みやすい!
そして今まで読んだ本の中でこれほどエネルギーが溢れている本を読んだことがない。
有名な「神は死んだ」というセリフも考えてみるとスゴイ。周りの誰しもが神を信じている社会でこの言葉はよほどのことがないと言えない。
イスラム教の国に行って「アラーはいない」なんて怖くて言えない。
もしくはアイドルグループのコンサートに行って「なんだ、ブスばっかりだな」と言うようなもの。
もしニーチェが現代に生きていてネットに書き込みしたのなら大炎上は確定。
この本の全ての文章が炎上のネタになってもおかしくない。そのぐらい強烈なメッセージが込められた本。
『わたしはあなたがたに超人を教えよう。人間は克服されなければならないのだ。あなたがたは人間を克服するために、何をしたというのか?人間から見れば、猿は何だろう?超人から見たとき、人間はまさにそうしたものなのだ。今もなお人間はいかなる猿よりも猿である。』
読みやすい、と言ってもそこは哲学書。文章の量が多くて読むのが大変かもしれない。
いきなりこんな大量の文章を読みたくない、と思ったのならまずは超訳 ニーチェの言葉がおすすめ。
本文より:
「自分を常に切り開いていく姿勢を持つことが、この人生を最高に旅することになるのだ」
「今のこの人生を、もう一度そっくりそのままくり返してもかまわないという生き方をしてみよ」
「死ぬのは決まっているのだから、ほがらかにやっていこう。いつかは終わるのだから、全力で向かっていこう」
「喜ぼう。この人生、もっと喜ぼう。喜び、嬉しがって生きよう」
ニーチェの言葉や思想が心に響いたのならあらためて「ツァラトゥストラ」に挑戦してみるのが良いかと。
「ツァラトゥストラはこう言った」は読みやすい、と言ったけれど奥が深い。自分の知識や経験が増えれば増えるほど、新しい発見がある。10年に1回ぐらいは繰り返し読んでいきたい。
冒頭にヒントが書かれている。
「だれでも読めるが、だれにも読めない書物」と。