タイトルは難しそうだけれど、文章はそんなに難しくない。
刺激タップリで楽しめる過激な本。
ほとんどの事は市場にまかせて、政府は最低限の仕事だけしてれば社会はうまく回って成長していく、という考え方。
フリードマンの考える政府がやるべき最低限の仕事とはこれだけ。
- 法と秩序を維持する
- 財産権を明確に定める
- 財産権を含む経済のルールを修正できるようにする
- ルールの解釈を巡る紛争を仲裁する
- 契約が確実に履行される環境を整える
- 競争を促す
- 通貨制度の枠組みを用意する
- 技術的独占に歯止めをかける
- 政府の介入が妥当と広く認められるほど重大な外部効果に対処する
- 狂人や子供など責任能力のない者を慈善事業や家族に代わって保護する
そして、政府が廃止すべき14の政策。
- 農産物の買い取り保障価格制度
- 輸入関税または輸出制限。
- 商品やサービスの産出規制(生産調整・減反政策など)
- 物価や賃金に対する規制・統制
- 法定の最低賃金や上限価格の設定
- 産業や銀行に対する詳細な規制
- 通信や放送に関する規制
- 現行の社会保障制度や福祉(公的年金機関からの購入の強制)
- 事業・職業に対する免許制度
- 公営住宅および住宅建設の補助金制度
- 平時の徴兵制
- 国立公園
- 営利目的の郵便事業の禁止
- 国や自治体が保有・経営する有料道路
現在の私たちが、政府が管理して当然だと思っていることも廃止にすべきと言う。
なんと過激な。
個人的には資本主義はネズミ講だと考えている。
人口の増加が止まってしまい、次のカモになる人間がいなくなった時にどうなるのか?
経済成長がマイナスになり続けても維持できる仕組みなのか?
日本の人口が減っているのが原因で年功序列や年金などの仕組みがなりたたないのなら、それはもうネズミ講なのだと認めているのと同じこと。
そんな疑惑を感じている。
でもフリードマンが「資本主義と自由」で言っている「小さな政府にして市場に任せる」との方法をとるなら、まだどうにかなりそうな気がしてきた。
とにかく今の政府は余計なこと(オリンピックとかも)を止めて、必要最低限の仕事だけをしてくれれば、まだマシな状況になるのでは!?
なんだか自分が資本主義に賛成なのか反対なのか、どちらかわからなくなってきた。
フリードマンはベーシックインカムのような「負の所得税」も提唱している。
もしかしたら自分は今の社会の仕組みが気に入らないだけで、新自由主義的な資本主義なら受け入れられるのかもしれない。
自分の知らなかった部分を発見できたような衝撃がある本だ。
超おすすめ。