歴史的にも最も有名な本の一冊。マルクスが書いた「資本論」。
読もうと思ったことはあるのだけれど、あまりの長さに手が出せないでいた。
京極夏彦の小説よりも長い本なんて、そうそうあるものではない。
パラパラと眺めたことはあるけれど、あまりにも難しい文章に瞬殺された記憶が残っている。
翻訳する人が少しは気を使って、簡単な日本語にしてくれれば良かったのにと思う。
興味のある人はアマゾンで少し見てみて。
「資本論」はこんな文章で始まる。
『資本主義的生産を行う社会では、その富は、商品の巨大な蓄積のようなものとして現われる。
その最小単位は一商品ということになる。
従って、我々の資本主義的生産様式の考察は、一商品の分析を以て始めねばならぬ。』
ん?何を言っているのかな?
わかったような、わからないような。
池上さんの解説がなければとてもではないが、解読ができない。
ようは「資本主義の社会での富とは商品の集まり。だから資本主義のことを考えるなら商品の分析からしていこう。」ってこと。
「資本論」の全体は要約すると、
『人間の労働があらゆる富の源泉であり、資本家は、労働力を買い入れて労働者を働かせ、新たな価値が付加された商品を販売することによって利益を上げ、資本を拡大する。
資本家の激しい競争により無秩序な生産は恐慌を引き起こし、労働者は生活が困窮する。
労働者は大工場で働くことにより、他人との団結の仕方を学び、組織的な行動ができるようになり、やがて革命を起こして資本主義を転覆させる。』
簡単に言うと
労働者が働く→資本家の利益が増える→資本家は利益で得たお金を使って工場を大きくしたり機械を導入→機械のせいで失業者が増える→工場は大きくなり、多くの人が一緒にそこで働く→機械の使い方などを覚えた頭の良い労働者が1つの場所(工場)で団結するようになる→革命だ!
と言う流れ。
資本主義という仕組みの中で生きているのだから、知っておくべき内容がもりだくさん。
マルクスの時代は機械であったが、これから人工知能が進化してきたら今ある仕事はどんどん消えていく。
140年前のマルクスの予言は現実化するのであろうか?それともまた違った未来が私たちには用意されているのだろうか?
池上さんの解説があるから安心して最後まで読み切れることができる。
池上さんの解説でも難しいと感じたならば、マンガでも色々な「資本論」がある。
まずはこちらでざっと内容を把握してみるのもいいかも。
マンガなら気楽に読めるし。
イラスト付きのも
あらすじとイラストでわかる資本論―マルクスが明らかにした資本主義のすべて!
マルクスの難しい文章を読むのに慣れたら、文章力がアップするという利点もありそう。