セルゲイ・ラフマニノフ(1873~1943)は1897年、23歳の時に交響曲第1番を発表した。
しかし初演は大失敗・・・。
「もし地獄に音楽学校があったなら、ラフマニノフ君のような才能ある学生がこの交響曲を作曲するだろう。彼は華麗に任務を遂行し、地獄の住人を大いに喜ばせるだろう。この音楽は邪悪な印象を残した。」
地獄の交響曲、と言わんばかりの酷評。
その暗い、地獄のような雰囲気の音楽がラフマニノフの魅力、とも言えるのだけど・・・。
この初演の大失敗で精神的に大打撃をうけたラフマニノフはその後、自信を失いほとんど作曲することができなくなる。
1900年、27歳の時に精神科医のニコラス・ダーリ博士と出会い催眠療法を開始。
「あなたはこれから誰も作曲したことがないような素晴らしいピアノ協奏曲を完成させます」と言う暗示を受け、ピアノ協奏曲第2番の作曲を始めた。
そしてラフマニノフは本当に今まで誰も作曲したことがないような音楽史に残るピアノ協奏曲の傑作を作曲したのであった。
1年後の1901年に完成・初演されたこの曲は大成功をおさめ、ラフマニノフの精神は回復し自信も取り戻す。
今でも映画、フィギュアスケート、漫画の「のだめカンタービレ」などでも取り上げられているので聞いたことがあるかもしれない。
この動画に続く第二・第三楽章も素晴らしい。この曲を聴いている35分間はあなたの精神を豊かに癒してくれるだろう。美しいメロディーが星の光のようにちりばめられている。