2011年に出版された有名な本。聞いたことがある、知っている人も多いのでは?
NHKの「ハーバード熱血教室」で放送されたからテレビで見た人もいるかな?
「正義」について考えさせてくれるこの本、必読書だ。
あらすじ:
「1人を殺せば5人が助かる。あなたはその1人を殺すべきか?」正解のない究極の難問に挑み続ける、ハーバード大学の超人気哲学講義“JUSTICE”。
経済危機から大災害にいたるまで、現代を覆う苦難の根底には、つねに「正義」をめぐる哲学の問題が潜んでいる。サンデル教授の問いに取り組むことで見えてくる、よりよい社会の姿とは?
「1人を殺せば5人が助かる。あなたはその1人を殺すべきか?」
これは今では有名な「トロッコ問題」。
あなたはブレーキの効かない猛スピードで走っているトロッコに乗っている。
その先には5人の作業員がいる。このままでは5人の作業員をひき殺してしまう。
しかしその時、あなたは線路に分岐があることに気付く。
分岐の先には作業員が1人いる。
あなたは5人の命を救うために、線路を変更するべきか?
その1人は、5人の命を代わりに犠牲になるべきなのか?
さあ、あなたならどうする?線路を変える?それともそのまま5人の作業員に突っ込む?
ここで少し設定を変化させてみる。
あなたは橋の上にいる。
すると猛スピードで走ってくるトロッコが見える。
トロッコが走る線路の先には5人の作業員。
その時、橋の上にいるあなたはすぐ近くに大きな荷物を持った大柄な男がいることに気付く。
この男を線路に突き落せばトロッコは止まりそうだ。
あなたは5人の命を救うためにこの大柄の男を突き落す?それとも何もしない?
「1人を殺せば5人が助かる。あなたはその1人を殺すべきか?」
設定が少し変わっただけで、あなたの答えも変わったのではないだろうか?
この「トロッコ問題」には他にもバリエーションがあるようだ。
- あなたはボートで5人の溺れた人を助けに向かっている。しかし途中で溺れている一人の人を発見した。その人を助けていれば5人はその間に溺れ死んでしまう。その人を助けて5人を諦めるべきか?
- 病院に5人の患者がいて、それぞれが異なる臓器の移植を必要としている。そこに臓器はいずれも健康な患者が現れた。彼を殺して臓器を移植すれば5人を助けることができる。彼を殺して内臓を取り出すべきか?
この本を読むと1つの事柄でも色々な見方や意見があるのがわかる。
しかも同じ現象に対して、自分の見方や意見までサンデル氏の話が進んでいくうちに変化していくのが面白い。
まだ読んだことがないならばぜひ読んで欲しい。あなたの中で何かが変わる。