シベリウスが作曲した最後の交響曲。
普通、交響曲は第4楽章まであるのだけれど、この7番は単一楽章という珍しい構成の交響曲。
1つの楽章に交響曲が凝縮されている、と言ってもいいのではなかろうか。
初演時は『交響的幻想曲』と名付けられていた。
フィンランドには行ったことがないけれど、シベリウスの曲を聴くとまるでフィンランドの風景が目の前で拡がっているような気分になる。
冬の日のふんわりとした幻想的な霧。
しかしそこにある身が凍る厳しい寒さ。
永遠に終わらない夜。
壮大な雪山の風景。
旅立つ白鳥たち。
朝日の光で消えていく神秘的な霧。
神のような巨大で美しい白鳥の死。
どこまで拡がっているのか見えない湖畔で、永遠と静かに押し寄せる小さな波たち。
まるで映像作品を見せられているような曲。