1980年代のトレーディング・コンテストで優勝した、マーティン・シュワルツの伝記。
十代の少年時代からギャンブルが大好きで、友達とカードゲーム、競馬、カジノ、スポーツ賭博、などが趣味。
証券会社のアナリストとして仕事をしている時も競馬場やラスベガスに行ったりしている。
しかしサラリーマン生活が嫌になり、トレーダーに。そしてトレーダーとして大成功する。
トレードのスタイルはスキャルピング。
ポジションの保有期間は5分以内が一番多い。
損切りが素早く、10回中7~8回は当てないと気がすまない。
ボクシングで例えるとジャブを多用するタイプのトレーダー。
性格は極度の負けず嫌い。
海兵隊にいた経験もあり。
本書の最後にシュワルツの売買方法と1日の生活が書かれている。
朝、起きてからはひたすらトレードの準備。手書きで色々な指数の計算しないと気が済まないそうな。
昼間はひたすらトレードで、トレードが終われば1日の復習。
朝から晩までトレードばかりの根っからのトレーダー。
トレーダーとしての生活も相当なストレスがかかるようだ。
40代で心のうに水がたまり、手術をすることに。
しかし手術の後に目が覚め、血圧や脈拍の数字が表示されている機械が視界に入ると、息を止めて数字がどう変化するかを観察しようとするという。
だが命が助かったのは運が良かったのからかもしれない。
トレーディング・コンテストでのライバルは40代なのに心臓発作でなくなっている。
・疑問
「当時のニューヨークは連邦所得税が50%、その税引き後に地方税が14%。
合計で57%の税金が取られていた」とあるが40年ぐらい前はこんなに税金が高かったのか!?
日本の20%がとてもお得な気がしてきた。
あとシュワルツが自分のファンドを運用する時の送金元が「バミューダー、ガーンジー、マン島、バハマ、ケイマン諸島」。
人の名前でなく、口座番号だけで運用。
ん?この話はどこかで聞いたような・・・。そう言えばパナマ文書はどうなった?
もう40年も前から金持ちのタックスヘイブンはあったのだな。
スイス銀行だけだと思っていたよ。
マーティン・シュワルツはマーケットの魔術師 - 米トップトレーダーが語る成功の秘訣でも取り上げられている。
こちらは伝説の投資家とのインタビューをまとめた本になっている。
色々な投資家の考え方やトレードの仕方が学べるのでオススメ。
トレードに少しでも興味があるのなら必読。