最近読んだ高野秀行さんの「アヘン王国潜入記」が面白かったので本書を読んでみた。
「アヘン王国潜入記」~ミャンマーの奥地へ - ヨノギ式~幸せになるゾウ
今回の旅の目的は世界で知られていないシルクロードを陸路で制覇すること。
中国の四川省にある成都からビルマ北部の山岳地帯を抜け、インドのカルカッタを目指す。
最初の計画ではビルマ・インド国境まで行って、そこから中国に戻り飛行機でカルカッタに到着するという合法的(!?)な旅になる予定だったのだが・・・。
2002年2月末に成都から旅は始まる。いきなりお金を盗まれたりと、とんだトラブルにあう。中国公安とのやりとりは前半のクライマックスと言えよう。
だがやはり本番はビルマに入ってから。よくまあ旅を続けられるな、と感心する。
運がいい、って要素もかなり重要。
山を越え、川を越え、何百匹のヒルと戦いながらも途中で諦めない根性には脱帽する。きっと何回も「日本に帰りたい!」と思ったことだろうな。
著者の高野秀行さんは英語はもちろん、中国語は中国人も現地人と勘違いするぐらい上手のようだし、ビルマの山岳民族の言葉も話せるようだ。
言語能力が高すぎる。
タイのチェンマイで大学講師もしていたので、タイ語もペラペラなのだろうな。うらやましい。
旅をするうえで、語学力と人間力は重要。人を見る目とか。
そう言えば2002年と言えば、私もインドとネパールを旅していたな。
まさか同じ時期に、こんなにもメチャクチャな旅をしている人がいたとは。
ビルマ山岳地帯の紛争は我々が想像できないほど複雑。そこにはほとんど知られていない世界が拡がっている。
興味のある人はぜひこの本で疑似体験をしてみて欲しい。
ヤギを買う時に、紙幣でなくアヘンで支払うシーンが印象に残った。
高額な取引の場合は、政府が印刷した紙きれよりも信用力の高いアヘンが使われるのだ。