もう30年ほど前のCMになるのだけど、アーノルド・シュワルツェネッガーが出演していたアリナミンVのCMを覚えているだろうか?
当時は知らなかったけれど、このCMで使われている曲はショスタコーヴィチの交響曲第7番「レニングラード」ではないか!
この「ちちんブイブイ、だいじょーブイ」のメロディーはとても静かに始まる。
Shostakovich - Symphony No. 7 - Leningrad - Mov. 1 - Orchestra Score - YouTube
そしてラヴェルの「ボレロ」のようにひたすら同じメロディーを繰り返しながら盛り上がっていく。
↓メロディー開始から5分後。
Shostakovich - Symphony No. 7 - Leningrad - Mov. 1 - Orchestra Score - YouTube
↓さらに約3分後。盛り上がりすぎてきます。
Shostakovich - Symphony No. 7 - Leningrad - Mov. 1 - Orchestra Score - YouTube
「ちちんブイブイ、だいじょーブイ」のメロディーがここまで激しく盛り上がってしまうのは、初めて聴いた時はけっこう衝撃的であった。
「レニングラード」というタイトルはショスタコーヴィチが新聞「プラウダ」で
『私は自分の第七交響曲を我々のファシズムに対する戦いと我々の宿命的勝利、そして我が故郷レニングラードに捧げる』
と表明したから。
なぜアリナミン「V」のCMでショスタコーヴィチの交響曲第7番「レニングラード」が使われたのか?
それは第4楽章に秘密があるのかもしれない。
そこで登場する「タタタター」という音はモールス信号の「V」(・・・-)すなわち「Victory」の意味があるからだ。
Dmitri Shostakovich - Symphony No. 7 "Leningrad" - YouTube
ラストは爆音でしめているのが良い。
ちなみに新聞「プラウダ」とは、かつてのソビエト連邦共産党が発行していたもの。
プラウダとはロシア語で「真実・正義」の意味だけど、ソビエト連邦共産党にとって都合の悪い事は書かれず、時には事実がねじ曲げられて伝えられた。
そしてプラウダで批判をされた時は「処刑」を覚悟しなければならないほどの強烈な新聞でもある。
おそロシア。