この素晴らしいピアノ協奏曲を聴けば誰もが
「この傑作を作曲したのはいったい誰なのだ?」と知りたくなるだろう。
そして名前を知った時に
「カレル・コヴァルジョヴィツ?聞いたことがない名前だな」と思うはず。
そして同時に
「どうして、こんなにも素晴らしいピアノ協奏曲が音楽史に残ることができなかったのであろう?」という疑問が心の中から湧き出てくるはずだ。
時折、ショパンのような、シューマンのような響きも聴こえる。もっと有名であるべき曲であり、音楽史に残しておきたい傑作。
カレル・コヴァルジョヴィツ(1862~1920)はチェコの作曲家。
11歳から17歳の間はクラリネット、ハープ、ピアノを習得。その後ハープ演奏者としてキャリアを始める。
1900年、38歳の時にプラハ国民劇場の指揮者となる。その後20年間、亡くなるまでその地位に在籍。
オペラの作品が7つ、バレエ作品が5つ、など。
もしかしたらカレル・コヴァルジョヴィツのピアノ協奏曲のような傑作が本当はたくさん存在するのだけど、時間の重みに耐えきれず、音楽史の渦の中に紛れ込んでしまっているのかもしれない。
期待と不満が混じったような、奇妙な気分にさせられる。