前から読みたかった話題の本をようやく読み終えた。
著者のハラリ氏の前作「サピエンス全史」も話題になっていたけど、・・・実はあまり面白いとは思えなかった。
しかし、今回の「ホモ・デウス」はとても楽しめた。
↓ではまずは上巻の表紙の裏に書いてある文章を
《人類は自らにとって最悪の敵であり続けた飢饉と疫病、戦争を克服しつつある。
この、三つの問題を克服した我々は、今度不死と幸福、神性の獲得を目標とするだろう。
生物工学や情報工学などのテクノロジーを用いて、世界を、そして自分自身をも、思い通りに作り替え、創造することを目指すのである。
それではこの神のような力は、すべての人々が享受するものとなるのだろうか?
あるいは富む者と貧しい者の間に、想像を絶する生物学的な格差をもたらすのか?》
↓上巻で印象に残った文章
『企業やお金や国家は私たちの想像の中にしか存在しない。
私たちは、自分に役立てるためにそれらを創り出した。
それなのになぜ、気が付くとそれらのために自分の人生を犠牲にしているのか?』
↓では下巻の表紙の裏に書いてある文章
《生命科学者たちは、生物は遺伝子やホルモン、ニューロンに支配された、ただのアルゴリズムであることを明らかにしている。
人間の心や意識は、脳の中でニューロンが信号を発し、あるパターンに則ってデータを処理しているだけなのである。
我々は何一つ自由に選択などしておらず、意識や意志を持った「私」でさえも、虚構なのだ。
それならば、人工知能が人間の能力を凌駕するようになった時、資本主義や民主主義、自由主義は崩壊するのだろうか?
そのとき、あなたはこの世界に何を求め、何のために生きればいいのか?》
↓下巻で印象に残った文章
『AIは自らの必要や欲求を満たすために、人間を搾取したり殺してもいいのだろうか?
もしAIの方が優れた知性と力を持ってるにもかかわらず、それが許されるべきでないとしたら、人間がブタを搾取したり殺したりするのがどうして倫理に適うのか?』
個人的には下巻がかなり楽しめた。
もしあなたがジャレド・ダイヤモンドの「銃・病原菌・鉄」、リチャード・ドーキンスの「利己的な遺伝子」を読んで興味を感じたことがあるならば絶対に読んでおくべし。
本の始めに「重要なことを愛情をもって教えてくれた恩師、S・N・ゴエンカに」と書いてある。
著者のハラリ氏は瞑想する人でもあったか。
どうやら2000年ごろからヴィパッサナー瞑想を続けているようだ。
瞑想の大先輩やんけ。
親近感がわいてきたので、次作も絶対に読みますよ!
本を読む時間がない人、読もうかどうか迷っている人はまずこちらのサイトを見ると参考になる。