これはとても面白い本だった。
日本に多い「努力すれば成功する」みたいな考え方をする人には特にオススメ。
日本人は努力、気合い、根性、などの外国では存在しないかもしれないような言葉が大好きな民族であるのだけど、そろそろ効率よく行動する方法を真面目に考えないといけないのではないかな。
生き方や性格は人それぞれ。
自分に合った人生の計画をこの本を読んで考えてみるのもいいんじゃない?
《目次》
序章 なぜ、「成功する人の条件」を誰もが勘違いしているのか
第1章 成功するにはエリートコースを目指すべき?
第2章 「いい人」は成功できない?
第3章 勝者は決して諦めず、切り替えの早い者は勝てないのか?
第4章 なぜ「ネットワーキング」はうまくいかないのか
第5章 「できる」と自信を持つのには効果がある?
第6章 仕事バカ……それとも、ワーク・ライフ・バランス?
結論 本当に人生を成功に導く法則は何か
まずは自分の能力に合った環境を見つけよう!
一般的にはマイナスだと思われる能力や性格も、環境によってはプラスになるから。
自分の目標がまだわからなければ、たくさんの事を試してみる。
そして何か興味のある事が見つかったら自分の時間の5~10%を使う。
試すこと、諦めることを戦略的に用いて、本当に諦めずに続ける価値がある事を見つけ出そう。
「懸命に働け、そうすれば成功できる」と人は言う。
残念ながら、それが間違っていることを示す証拠がたくさんある。
人々を対象に「成功をもたらす要素は何か?」と尋ねれば「努力」という回答が一位になる。 ところが研究によると、それは大外れだという。
環境が本当に大事。
逆に言えば、もし今あなたが成功しているとは言えない状態にあるのなら、それはただ環境が合ってないだけなのかもしれない。
自分に合った環境を探す努力をしてみよう。
ダーウィンの進化論のような言い方をするなら、成功するのは強い人ではなくて環境に適応できる者なのだ。
良い人VS嫌な人
私たちは「最後には善人が勝つ」と教えられてきた。 しかし悲しいかな、多くの研究結果によれば、そうではないようだ。
嫌な奴は親切な人より仕事ができる場合がある。 企業のCEOはサイコパスの頻度が高い。 ネガティブな特性がむしろリーダーになる可能性を高める。 誰よりも早く駆け上がる経営者は、チームの一員であろうとするものではない。
しかも良い人にとって悲しいことに、人間には親切は弱さの表れだと勘違いする傾向があるようだ。 つまり、誰かが親切すぎると「その人物はきっと能力が低いのだ」と推測する傾向があるのだ。
しかし、良い人であることをあきらめてはいけない。
嫌なヤツが出世したり、裕福になることは数多くのデータによって示されているものの、彼らは必ずしも人生を楽しんではいない。 ところが道徳的な人々は幸福度が高い。 かなりの不正をして平気な人よりも、社会道徳を重んじる人の方が人生に対する満足度が高かった。
人生で本当に重要な唯一のことは、他者との関係である。
実生活で大きな利得になる行動。
- 相手を妬まない
- 自分から先に裏切らない
- 協調であれ裏切りであれ、そっくり相手に返す
- 策を弄さない
最強の対人ルール
- 自分に合った環境を選ぶ
- まず協調する
- 無私無欲は聖人でなく愚人である
- 懸命に働き、そのことを周囲に知ってもらう
- 長期的視点で考え、相手にも長期的視点で考えさせる
- 許す
論争をなくし良い結果だけを得る4つのルール
- 落ち着いて、ゆったりしたペースで話す
- 傾聴する
- 相手の気持ちにラベルを貼る(同調する)
- 相手に考えさせる
仕事バカ……それとも、ワーク・ライフ・バランス?
仕事で成功するにはやはり作業時間がものをいうようだ。
やればやるほど上達する。当たり前のことだけど。
でも人間関係も重要。
問題は何をより少なくするかだ。
最も重要なことに時間を回すために、あなたは何をあきらめ、何を断ち切ればいいのだろう?
時間とお金は等価だと言われるが、それは違う。 お金は増やせるけど、時間は増やすことができない。
成功とは1つだけの特性の成果ではない。 それは「自分はどんな人間か」と「どんな人間を目指したいか」の2つを加味しつつ、そのバランスを調整することだ。
さあ、あなたにとっての最適なバランスを考えてみようではないか。
経営者の方に読んで欲しい文章。
- 仕事が順調な人、仕事を失った人、双方を調査した結果 「上司を機嫌よくさせておけば、実際の仕事ぶりはあまり重要ではない。 また逆に上司の機嫌を損ねたら、どんなに仕事で業績を上げても事態は好転しない」 という教訓が得られた。
- 残業がもたらす利益は何か? 無に等しい。 55時間を超えると生産性は急激に低下するので 「週に70時間働く者は、余分な15時間で何も生産しないことになる」という。
- 誰かがズルをして逃げおおせるのを見ると、やがてみんながインチキをするようになる。 仕事のチームに悪い従業員がたった一人いるだけで、チーム全体の業績が30~40%低下するという。
- 人生の最後に人々がもっとも後悔するトップ5の1つは 「あんなに一生懸命、仕事ばかりしなければよかった」 だという。ただし自分の仕事に意義を見出している場合は、事情が変わってくる。
社会的に成功している人に読んで欲しい文章。
- あなたが成功できたのは、たまたまあなたの性質や先入観、素質、能力のすべてが、その環境で成功を生み出す要素にそっくり当てはまったからなのです。
- 成功する人は、自分の成功を運や偶然、定めによるものとは思わない。 たとえ幸運によるところが大きくても、成功を引き寄せたのは自分だという信念を持ち続ける。
- 傲慢さに飲み込まれて、自己陶酔に陥った者は、現実をまっすぐ見られない。 さらにまずいことに本人がそのことに全く気が付かない。 つまり自己の盲目さに盲目なのだ。