私たちは毎日のようにお金を使っているが、お金とは何なのだろう?
あらためて考えてみるのに良い機会を与えてくれる21世紀の貨幣論。
みんなお金を使って、お金に興味があって、お金が好きで、お金のために膨大な時間を消費している。
それに比べると「お金」について考えたことがある人は少ないのでは?
あまりにも当たり前に私たちの生活の一部になっているのが原因かも。
普段の生活で、空気とはなにか?呼吸とはどういう動作なのか?なんて考えないのと同じような感じ。
お金とは何か?だけでなくてお金が発明された理由、お金の視点から見た歴史、などもあり興味をそそる。
ヤップ島にある石の貨幣の話から始まり、古代ローマ、中世ヨーロッパ、近代の金融危機の話。お金の歴史をざっと読むことができる。
21世紀の貨幣論で特に面白かったのは第6章の「吸血イカ」の自然史~「銀行」の発明。
自分の資金を増やすために質の悪い貨幣を発行するようになった君主に対抗するために、商人が自分たちでお金の仕組みを作り始めた話。
しかも君主に捕まらないように国際貿易の決済で小切手を使い始めたとか。今のこれからの時代にも参考にできる行動なのでは?
私たちのお金に対する態度は正しいのであろうか?そしてお金とはどうあるべきなのであろうか?
現在の経済システムは幸せ、豊かさ、自由、公平を生み出せないと、考えるようになっている人、今の社会でビジネスに既得権益のない人たちにオススメの本。
21世紀の貨幣論を読んで、色々と考えさせられることが多かった。
その影響は最近のブログによく表れてる。
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リーマン・ショックから10年・・・次に来たる金融危機 - ヨノギ式~幸せになるゾウ
お金について考えるのは難しい。
なぜなら人間は目に見えるものしか見えない。目に見えることしか意識しない。
そしてこの目が「円」を見たことも、この手が「円」に触れたことも一度としてない。
木の長さを見たり、鉄を持ち上げたことはあっても、メートルやキログラムを見たことも、触れたこともないのとまったく同じである。